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ブリヤンヌNEWS~1~

皆さんこんにちは

ブリヤンヌバレエスタジオの更新担当の中西です

 

 

さて今回は

~バレエの歴史~

バレエは、500年かけて「王侯の余興」から「総合芸術」へ進化してきたダンス。音楽・衣装・舞台美術・物語が合わさる“芸術の交差点”です。ここでは、起源から現代までを一気にたどり、見る楽しみが増えるポイントも紹介します✨


1. ルネサンスの誕生🌿(15〜16世紀)

  • イタリア宮廷の祝宴舞踊がルーツ。社交ダンスと仮面劇が混ざり、幾何学的なフォーメーションで踊られていました。

  • 1533年、カトリーヌ・ド・メディシスがフランス王家へ嫁いだことで、イタリア式の舞踊文化がパリへ。

  • 1581年、宮廷で上演された『女王のバレエ』は“物語・音楽・踊り・装置”が統合された初期バレエの金字塔🎭

この時代のキーワード

宮廷・仮面・図形的な群舞・高価な衣装。踊りは今より足元の動きが少なく、上半身とフォーメーションが主役でした。


2. 王のバレエ時代👑(17世紀)

  • フランスでルイ14世(太陽王)がダンサーとして舞台に立ち、芸術を国家事業化。

  • 1661年、世界初のダンス学校王立舞踏アカデミー(後のパリ・オペラ座学校)を設立。

  • 5つの足のポジションやテクニックが体系化され、プロのダンサーという職業が確立。

👉 ポイント:宮廷から劇場へ。観客は貴族だけでなく市民にも広がります。


3. バレエ・ダクシオンとロマン主義🌙(18〜19世紀前半)

  • 18世紀、ノヴェールが『手紙』で“踊りで物語を語る(バレエ・ダクシオン)”を提唱。ジェスチャーや表情が重要に。

  • 19世紀前半はロマン派。超自然・夢・恋がテーマ。

    • 代表作:『ラ・シルフィード』『ジゼル』。

    • トウ・シューズチュチュ(ロマンティック丈)が普及し、空気のように軽いエトワール像が生まれました🕊️


4. 古典バレエの大輪🌸(19世紀後半)

  • 舞台はロシアへ。マリウス・プティパが壮大なプロットとテクニックで“グランド・バレエ”を確立。

  • 作曲家チャイコフスキーとのタッグで

    • 眠れる森の美女』(1890)

    • 白鳥の湖』(改訂1895)

    • くるみ割り人形』(1892)
      が誕生。大コール・ド・バレエ、華麗なパ・ド・ドゥ、技巧的ヴァリエーション…**“これぞバレエ”**の型が完成✨


5. 20世紀の革命⚡(前半)

  • ディアギレフ率いるバレエ・リュスがパリで旋風。

    • 振付:フォーキン/ニジンスキー/マシーン

    • 音楽:ストラヴィンスキー(『火の鳥』『春の祭典』)

    • 美術:ピカソ/コクトーなど
      → 音楽・美術・ファッションが融合し、バレエは前衛芸術の中心に。

  • アメリカでは亡命譚を経てバランシン新古典主義を確立。『セレナーデ』『ジュエルズ』など、筋より純粋な動きと音楽性を前面に🎼


6. 冷戦期〜現代へ🌍

  • ソ連・英国・フランスで国立カンパニーが育ち、世界にダンサーを輩出。ロシア学派、英国学派、仏学派など“学校”の個性が形成。

  • 末期〜現代はコンテンポラリー・バレエが台頭。

    • キリアン/エイフマン/プレルジョカージュ/マクレガー…クラシック技術に現代の身体感覚とテクノロジーを融合。

  • ダイバーシティや身体観の更新が進み、ジェンダー・人種・年齢の壁を越えた新たなキャスティングも広がっています🌈


7. バレエ鑑賞がもっと楽しくなる“見どころ”🔍

  1. 音楽との呼吸:アダージオの“溜め”やピルエットの“乗り”は、指揮者とダンサーの会話。耳で感じると魅力倍増🎧

  2. コール・ド・バレエ:群舞のラインとフォーメーション。小さなズレが生む生の緊張を味わって。

  3. ヴァリエーション:各役の性格が凝縮されたソロ。拍手のタイミングは着地の“決め”で👏

  4. 衣装と美術:ロマン派は柔らかいチュチュ、古典はベル形のクラシック・チュチュ。世代差を見比べるのも楽しい👗

  5. 物語の文脈:『白鳥』『ジゼル』『ドン・キ』『ロミジュリ』…同じ演目でも演出版で解釈が変わる。演出家の“答え合わせ”を🔁


8. 代表作品クイック年表🗓️

  • 1581『女王のバレエ』—宮廷総合芸術の嚆矢

  • 1661 王立舞踏アカデミー設立(パリ)

  • 1832『ラ・シルフィード』—ロマン派の幕開け

  • 1841『ジゼル』—悲恋と幻想の頂点

  • 1890『眠れる森の美女』、1895『白鳥の湖』改訂、1892『くるみ割り人形』—古典の完成

  • 1909〜29 バレエ・リュス—前衛芸術の震源地

  • 1934 ニューヨーク・シティ・バレエの前身設立—新古典主義へ

  • 21世紀 コンテンポラリー・バレエの多様化とテクノロジー連携🖥️


9. まとめ🎉

バレエの歴史は、宮廷の儀礼→劇場芸術→前衛との融合→多様性の時代という旅路。
トウ・シューズの先にあるのは、時代ごとに更新される“身体と言葉のない物語”です。次に舞台を観るときは、ぜひ時代のレンズを携えて。きっと、いつもの白鳥も、違う羽音が聞こえてきます🦢✨